SとM / 鹿島茂

常々校長がおっしゃっていることと同じことを筆者が述べていて、驚きました。
それは、Sは到達点から逆算して物事を考えられる人である、ということ。

Mは「注文の多い」変態さん。ひたすら自分の欲望を追求したがるもの。
というのも、愛されるセオリーが自分の中にあって、すべてはそこから発想されていますから、
Sとなる人への要求が強いのですね。

筆者は時代はMを求めている、と語ります。
Mというのはいつの時代にも、失われた絶対者へのノスタルジーであると定義出来るそうです。
現代は圧倒的な支配者がいない。民主主義を軸とした平和な時代です。
こんな世の中だからこそ、人々の幻想の中には絶対者の支配していた時代の安定感、充足感へのノスタルジーが生まれるそうです。

文中、「SMは交わらなければ生まれない」ものだと述べられています。
MがいるからSが育ち、SがいるからMはそこに自分の理想を投影するのです。
SMとは、「想像力」を核とした「関係性」であり、嗜虐も支配関係も、あくまで二人の想像力によって規定されているものなのです。

例えば、わたくしは現実にはどの国の女王でもありません。
でもあなたが目の前に跪き、わたくしを崇め仕えることに、喜びの表情を見せるその時、
わたくしは”あなたの”女王であることにリアリティを感じています。
あなたに首輪をかけ引きずり回し、所有物の証にマーキングを施し、その柔らかい頬をハイヒールの下に感じる時、
あなたがわたくしの奴隷だということが真実味を帯びて感じられます。

「SM契約」というものがなければ、SMはスタートしませんね。
Mは全面的に身を委ねることが出来ると、Sのことを100%信頼する。
SはどんなことがあってもMを受け止めると100%の自信を持っている。
そんな両者の間に築かれている「信頼関係」こそがエロティックだ、と筆者は言います。

「信頼関係」。これは一朝一夕に出来るものではありませんよね。
あなたに信頼してもらおうと思うなら、それに足るものをまずわたくしは提供すべきだと思う。
サービスのSですからね。愛は与えるものだと、彩月さんもおっしゃっていました。

そうして「この人だったら」という信頼を勝ち取っていくことの喜びのいかに大きいか。
踏まれても、ぶたれても(まぁ好きなんでしょうが)「誰でもいい」ではなく、「クレアさんがいい」と言ってもらえることは非常に嬉しいことです。

「ラ・シオラなら誰でもいい」と言ってもらえるならば、それももちろん喜ばしいことです。
これはお店と会員さんの間に信頼関係が出来ているから出る言葉ですね。
お店との間にある信頼関係を引き継いで、わたくしたちの特別なものにしてゆくこと。
それが真にエロティックな関係を築き上げる唯一の方法だとわたくしは存じています。

最初の一年間で、わたくしは本当にたくさんの会員さんとお会いすることが出来ました。
初めの一年ではわからなかったこと、ここにきてようやく見えて来たこともたくさんあります。

まだそこには信頼関係が出来ていないから(初対面だもの、当然ですよね)、わたしは当校と会員さんの間にあるそれを借りて、セッションをしていたわけです。
それが回数を重ねわたくしはあなたのことを理解するようになり、あなたがわたくし自身に信頼を置いてくれるようになったとき。
そこから本当のエロティシズムが始まるのでしょう。

そこにあるのは、ファ−ストフード的な「早い・安い・うまい」では手に入れられない興奮。
想像の「主従関係」が現実とリンクして感じられる関係性の先にある快楽。
それこそがわたくしの求める価値観。あなたを深く知りたいから、ゆっくりじっくり責めてゆきたい。

テーマ : ブックレビュー
ジャンル : 本・雑誌

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Claire

Author:Claire
ドジっ子魔法使い見習い。
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冬支度はお済みかしら。
寒気が入ってから、すっかり冷え込んだわね。
今年の冬は、防寒具に革を取り入れたおしゃれを展開中。
革のコートやドレスなど、なかなか気に入ったものが揃いました。
街でもブーツが目立つ季節になりましたね。
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